昨日のドラマ

皆様こんにちわ 店長の睦です。 昨日は草なぎさん演じる 手塚治虫先生のドラマ 「神様のベレー帽」が放送されていましたね。 漫画の神様といわれる手塚先生と そんな手塚先生に巻き込まれる周りの人々。 作中ではよく努力という言葉が使われていましたが 「いかに手塚先生が才能だけでなく努力していた人か」 ではなくて 「いかに手塚先生が才能だけでなく、漫画やアニメを愛していた人か」 と言い変えた方がしっくりくる気がします。 手塚先生がどれだけ漫画やアニメや自分のキャラクターを愛していたかわかる いいドラマだなぁだと思いましたが それゆえに 最後の見せ場で 大島優子さんの 「だって・・・その方が気持ちいいじゃない!」 というセリフには頭をかしげてしましまいた。 一般的に、努力している人達は 気持ちいいから努力してるわけじゃないと思うよと。 いくら好きな事でも 楽しい時や嬉しい時ばかりじゃなくて うまくいかないことも もうやめたいとも何度も思って 続けることに何の意味があるのか自問自答したり 怖くなって逃げたくなったりすることもあるけど それでもどうしてもやめれないから あきらめるという事をあきらめて 必死に続けていたら それに対し 周りの人達が「努力」という名前をつけてくれるわけで だから自分が好きな事をして 努力と言っている人の努力は 私は個人的にあまり信じてないです。 これは人それぞれの考え方なのかもしれないけど 最後の最後でうん?という感じだったのが私的に残念でした。 でも、ブラックジャックのアニメを ギリギリのスケジュールで 手塚先生含め、スタッフ全員死ぬ気で作り上げた作品に対し 手塚先生がだしたリテイクの嵐。 特にブラックジャックの登場シーンがリテイクだらけだったそうです。 一番大変なのは 漫画もアニメも担当している手塚先生なのに 傍から見ると わざわざ自分の首をしめるような描き直し。 すでに過酷な戦場で戦いを終え まさに瀕死状態のようなアニメスタッフ達は納得がいかず ブラックジャックの登場シーンの 一体どこが悪かったのか手塚先生に問い詰めるシーン。 そこで手塚先生がサラリと答えたのは ブラックジャックは、あんな歩き方しません。」 このセリフに目から鱗がこぼれそうになりました。 もう、なんか、その言葉の表面だけとらえて こだわりですねとか そんな簡単な一言でまとめるのは失礼だなと。 「ブラックジャックは、あんな歩き方しません。」 なんてセリフ 手塚先生の中で ブラックジャックが本当に生きてるキャラクターとして生まれていないと でるはずがないセリフ。 本当に生きてる人のように 自分で生み出したキャラクターが手塚先生には見えてる。 これは誰にでもできる事じゃないと思います。 今ほどアニメが身近でなかった時代に そのセリフがでるなんて、 すごいってか、もう恐ろしいですね。 ブラックジャックの単行本を見た時は まぁ普通におもしろいなと思っていた 大島さん演じる新人編集者が ブラックジャックの原画を見た時 単行本とは比べ物にならない 凄さを目の当たりにしたエピソードですが これは、私もわかる気がします。 漫画界の巨匠の 漫画原画をみる機会というのはあまりありませんが 先日阪神百貨店で催事物に出展したさい 同じフロアで 明日のジョーの原画展が開催されており 私も見る事ができたのでした。 大学生の時に 先端芸術学部の 漫画専攻していた友達が課題をしているのを待っていた時の事です。 友人は、 「あしたのジョーの模写」 という課題をしていたのです。 なんだかとても大変そうでした。 私はただ待っているのもヒマなので 友人の前に散らかっていた あしたのジョーの単行本から 1巻を手にとりました。 「あしたのジョー、めっちゃおもろいけど密度濃いから読むん時間かかる!(笑)」 と友人が笑っていましたが 確かに友人のいうとおり、 おもしろいけど コマが小さく 密度が濃いので 普通の単行本を読む3倍近くの時間がかかった思い出があります。 その時みていたシーンも、原画展にはありました。 原画っていうのは 印刷された漫画のように きれいな黒一色ではなく ペタペタと塗られているベタ部分の筆後や ペンの動かしている方向がわかって 所どころ修正されている箇所もそのまま残されており まるで作者の息づかいが感じ取れるようでした。 やはり、単行本とは 迫力が違いました。 今はちゃんとあらかじめ タチキリ線などがひかれている原稿用紙が主流で だいたいどの画材屋さんでも見かけるのはこのタイプですが 昔はそんな原稿用紙などなかったのか あしたのジョーが描かれているのは 見た所、普通のケント紙でした。 タチキリ線なども針などを使って目印を作り そこから作られていたと思います。 世界に誇る漫画大国日本ですが 先人達が命を削りながら作っていったレールの上を 今現在色んな漫画家やアニメーターたちが走り続け、 また新たなレールをつくっていってるんですね。