恐怖

皆様こんにちわ 店長の睦です 昨日は恐怖を感じる心理について書きましたが 今日はそれと正反対の事を紹介したいと思います。 今日、紹介しますのは 「恐怖を知らなかった青年」です。 こちらはね、ロシア民話なんですけど 生まれて一度も恐怖を感じた事のない青年のお話です。 仕立屋の息子、フィアノットは 父親に言われた買い物ひとつも満足にできない間の抜けた男でしたが どいうわけか怖いモノしらずで恐怖という感情がなく 傍からみると呆れるような無茶な事をしたりしてました。 恐怖をいう感情は身を守る上でとても大切なものです。 そんな息子の行く末を心配した父親は フィアノットに40シリングはいった袋を渡し 「世間にでて何か学んで来い」とフィアノットに旅をさせる事にしました。 フィアノットも、自分が知らない「恐怖」という感情に日頃から憧れていましたので 40シリングを受け取り「恐怖」を知る旅に出る事にしました。 旅の途中、フィアノットは 詐欺師のマッコイという男に出会います。 フィアノットはマッコイに 「恐怖を味あわせてくれたら40シリング全部あげよう」と言いました。 このマッコイ、詐欺師なのに人柄がよく あの手この手でフィアノットに恐怖を感じさせようとします。 しかし、どれもまったく効果がなく 手をつくしきり、悩んだマッコイは魔物が住む池に連れていく事にしました。 池には恐ろしい大きな魔物が住んでいましたが これまたフィアノットには効果なし。 恐怖を知る旅で、何も成果があげられなかったことに肩を落としながら フィアノットが村に帰ると フィアノットが恋心を抱いている娘が 病で危篤状態になっている事を知りました。 フィアノットは、その娘が死んでしまうと思うと、初めて とても、とても怖くなりました。 フィアノットは初めて恐怖というものを知ったのです。 娘の手を握り締めながら涙を流すフィアノット。 この後、娘は無事助かりハッピーエンドになるのですが 自分自身の身の危険を、恐怖と感じる事ができず無茶な事をするフィアノットが 大切な人を失うと思った時に初めて味わった恐怖。 もう一度言いますが 恐怖というものはとても大切な感情です。 人が生きていく上で、 あるべきしてある感情だと思います。 臆病すぎるのも考えものですが 怖いモノ知らずがカッコいいわけでも勇敢なわけでもありません。 大切な人を失う恐怖を知ったフィアノットは きっと、自分自身、もうむやみに危険な事はしないでしょう。 私はホラーDVDや怖い話を観たり聞いたりするのが好きで その点では フィアノットと同じく「恐怖」を求めていますが ホラー然り、 ジェットコースターなど然り 自分からスリルや刺激を求めて恐怖を味わおうとする奇特な動物は 世界中探しても人間だけかもしれません。