怖い話

皆様こんにちわ 店長の睦です! 土曜の夜は姉と恒例のホラーDVD鑑賞会しました。 いつものように 部屋を真っ暗にしてお菓子を用意し準備は万端です。 こんな時、姉妹で共通の趣味があるのはイイですね 一人でホラーDVD観ても怖いですからね!! 姉もだいぶホラー好きですが 姉はどちらかと聞き手に回る方が好きらしく 語り手になるのはいつも私です。 私が聞き手にまわりたい時は ユーチューブとかで検索しています。 吉本芸人の恐怖話が結構本気で怖いのとかもあって さすが、話のプロは笑わすだけじゃなくて、語り様によって恐怖も与えられるんだなと感心して観ています。 この日は2本DVDを借りてきたんですけど ホラーDVDを観すぎたせいか マンネリ気味で 何かがおきるぞという時は多少ドキドキもするんですが いざ幽霊が現れるシーンになると興ざめしてしまいます。 なぜかと言うと 幽霊の自己主張っぷりが激しいから。 いかにも 「私、幽霊なんです!」 という感じの グロい特殊メイクやカラコン、CGを使っているのが嫌なんです。 ホラー好きと言っても 色んなタイプがいるもんで 外国のような派手な演出のホラーが好きな人もいれば スプラッタやミステリーに偏ったホラーが好きな人もいるでしょう。 私と姉は、血まみれで、一見して幽霊とわかる幽霊が出てくるホラーよりも もっとこう・・・ 不気味と恐怖の境目のようなホラーが欲しいのです。 今回のDVDもゾッとするような話はなく 2人でまぁこんなもんかな雰囲気で観てたんですが 一つだけ、 怖いお話がありました。 お話の筋としてはよくある ありきたりといえば、ありきたりな話なので ここで、文にしてもあまり怖さは表現できないかもしれません。 ある女性が、恋人と車内でケンカして 山の中だというのに車をおろされてしまいます。 そんな所で置いてけぼりをくらった女性は 周りに車も通ってないし、人の姿も見当たらないので 仕方なく、なんとか人が歩ける程度に整えられている山道を歩いていきます。 すると、不幸中の幸いというやつでしょうか。 途中、ゴミ捨て場にまだ使えそうな自転車があるのを発見しました。 かなりボロイ自転車でしたが このまま歩いていくよりは早く山を抜けれるだろうと思い 女性はフラフラしながら必死に自転車をこいで進むのです。 しばらくすると、畑にでました。 遠くには農夫が一人。 う〜ん あれなんていうんだろうな 農夫は 雨の日に着るレインコートのようなナイロンの服を着てて 帽子を深くかぶってたから 顔はほとんど見えません。 その農夫は、畑を耕すわけでもなく 水をあげているわけでもなく ただ、畑の真ん中にうつむいて立っているだけです。 女性は あ、ヤバッと思いました。 なぜなら、畑は私有地ですからね。 勝手に入ったら怒られるかもと思ったわけです。 しかし、農夫は怒るどころか、こちらをふりむきもせず ずっとうつむいたまま立っているだけでした。 女性は農夫の横を通り過ぎ そのまま畑の中をしばらく走ってたんですが 不思議な事に、さっき自分が通りこした農夫が また自分の前にうつむいて立っているんですよ。 女性は、「アレっ」と思い、後ろを振り返りましたが やはり先ほどの場所に農夫はおらず だからと言って 他に回り道できるような所が畑にはないのです。 あるのは女性と農夫がいる 畑と畑の間のあぜ道一本だけ。 そして、その農夫は何回追い越しても しばらくすると、また女性の前に うつむいたまま立っているのでした。 さすがに気味が悪くなった女性は、 急いで畑を通り過ぎようとしましました。 そうして無事、畑は抜けれましたが 畑の先に道はなく フェンスの向こうに再び山道があるだけです。 女性が恐る恐る振り返ると 農夫も畑からでて、 相変わらずうつむいたまま道の真ん中に立っていました。 そう 農夫は女性を追いかけてきているのです。 女性は恐怖のあまり半狂乱になりました。 しかし、道という道はもうなく 女性は自転車を捨て 裸足になり 急いでフェンスをよじりのぼりました。 これがまた動きにくいデート服のせいか うまくフェンスを登れないんですよ。 そうこうしている間にも 農夫はどんどん迫ってきています。 間一髪フェンスを乗り越えられた女性は 死に物狂いで走って逃げ出しました。 気力も服もボロボロになった女性 半ば放心状態でしたが ある橋の上に来た時 ようやく車の行きかう道路が見えました。 これで助かったと胸をなでおろした瞬間 薮の中にさきほどの農夫が立っている事に気がつきました。 農夫は這って女性の足首を強く掴み 女性は悲鳴をあげます。 必死で農夫の手を振り払おうともがく女性。 その時、足元に何か当たりました。 なんとか無事に手を振り払った女性は 道路に飛び出し 必死に車に助けを求めて、なんとか助かる事ができたのです。 農夫に足を掴まれもがいていた時 足に何かあたったわけですが それは、お酒やお菓子などの お供え物でした。 女性はきっと橋の上にあったお供えは、 あの農夫のものだろうと思っているそうです。 このDVDはね ノンフィクションらしく 実際体験した本人のインタビューと 再現ドラマの構成になってるんですけど リアルでした。 私と姉の恐怖のツボは一緒らしく観終わったあと 姉も「農夫の話が怖かった」と言っていました。 話自体は、よくある話だと思うんですよ。 何が怖かったかと言うと 「得体のしれない男が段々迫ってくる」 ここに尽きます。 農夫は 頭から血を流しているわけでも 特殊メイクをしているわけでもなく ただうつむいて立っているだけだけど 怖い。 得体のしれない恐怖感。 その得体の知れない恐怖感というのは どこで感じるかというとですね 一番の大きな理由はきっと 顔の半分が帽子でかくれていて見えない事です。 人は目を確認できない人に、少なからず警戒心を持ちます。 例えば 貴方がしらない山で一人で迷子になったと考えて下さい。 心細いし、怖いですよね。 その時、目の前に二つの道が分かれていて 左に進んだ先にも 右に進んだ先にも 同じような外見をした人が立っているとします。 違うのは片方の人はサングラスをかけている事だけ。 想像してみてください。 貴方は、サングラスをかけている人と、かけていない人、 無意識にどちらの人に道を尋ねようと思いますか? 「目は口ほどに物を言う」 そんな諺がありますが それほど目は伝える力を持っています。 だからそれが意識的に隠されてしまうと 慣れ親しんだ身内ならともかく どんな人なのかわからない 初対面の人には無意識に警戒心を強め身構えてしまうのです。 得体の知れない男に追いかけられるという女性の恐怖。 そこをうまくついてるな〜と思った作品でした。 特殊メイクやCGを使わなくても、恐怖は与えられるもんなんですね。 これで鎌とか持ってたら最高でした。 農夫が鎌を持っているのは、職業柄普通の事です。 でも、そんな得体の知れない農夫が鎌を持っていたら 果たしてそれは農業に使うためのものなのか それとも・・・・・・ こんな妄想が新たに生まれます。 本当に霊が見える人は別として 霊の見えない人のホラーにおける恐怖とは妄想。 天井のシミが人の顔に見えたり 鏡の前に立っている時、なんとなく後ろに誰かいるように感じたり。 妄想から恐怖は生まれます。 だから、私は 最初から全部幽霊感丸出しのホラー作品より 生きてるのか死んでるのかどっちなんだとか 何気なく白い手が映っているだけとかの作品に より強い恐怖を感じるのです。