夜中のお弔い

みなさまこんにちわ 店長の睦です! 皆様は 「夜中のお弔い」 という話を知っていますでしょうか。 私が今でも記憶に印象強く残る まんが日本昔話でみたお話です。 映画にもなったそうですが 元々は土地で伝承されている民話だと思います。 詳しくはわかりませんが、これって実話なのかなぁ 昔、今の山形県鶴岡の城下に、「大場 右平」という侍がいました。 ある夜の事です。 右平は侍の寄り合いから家に帰る途中でした。 もうぼちぼち家も見えてくるという所で 向こうから何か行列がやってくるのが見えました。 よく見ると、それは皆白い着物を着た 「弔い行列」だったのです。 その弔い行列は、話声ひとつたてず、ただひたひたと草履の音だけが 暗い夜道に響いていたそうです。 よく見ると、武士の弔いのようでした。 右平は、 (こんな真夜中に弔い行列???) と奇妙に思い、行列の中の一人に尋ねる事にしました。 「これはどなたのお弔いですか?」 すると、尋ねられた男は答えました。 「大場 右平様のお弔いでございます。」 右平は最初それを聞いてキョトンとしていましたが 自分の弔いだと言われた事を理解し、それはとてもとても仰天しました。 思わず右平は列の方を振り返りましたよ。 すると、行列は立ち止って右平の方をじっと見ていました。 右平はもう心底ゾッとして、急いでその場を逃げ出すように走りました。 右平は自宅まで辿りついたのですが なぜか門の前には つい今し方お弔いの送り火を焚いた後が残っていたんですよ。 わけのわからない右平は、急いで家に入り家の者を起こし、話を聞こうと思ったんですが なぜか家の中には誰もいない・・・。 右平はどうする事もできず、ただフラフラと宛てもなく彷徨い歩きました。 どれぐらい経ったのでしょう。 右平は気づくとお城のお堀端に立っていました。 すると、誰かに声をかけられました。 それは、右平と親しい「横山 只衛門」という侍でした。 もう右平はどれだけホッとしたのでしょうね。 右平は今までの事を只衛門に一部始終話しました。 そして、右平が只衛門をつれて自宅に戻ってみると 先ほどは消えていたはずの灯りもついており 家の者達が帰りのおそい右平を、今か今かと心配して待っていました。 右平は一体今までみんなでどこに行ってたのかと尋ねましたが 家の者たちはみんな首をかしげ、みんなずっと家にいたと言います。 右平はますますワケがわからず、呆然とその場に立ち尽くしてしまいました。 とりあえず、その場は右平の思い違いだったという事にして 只衛門が右平をなだめて帰る事にしました。 只衛門も、右平が嘘を言っているようには見えませんでしたが だからと言って確かめる術もなく うやむやなまま何日かが過ぎていきました。 そして、ある日の朝、2人の侍が只衛門の家にやって来ました。 只衛門が、こんな朝早くに何事かと尋ねると 2人の侍はこう言いました。 「夕べ遅くに、大場 右平殿が亡くなられたのでその旨を知らせに参った」 それを聞いた只衛門は驚きました。 2人の侍の話によると、 右平は夜中に押し入った賊に、切り殺されてしまったらしいのです。 只衛門は、右平の弔い行列に参加しました。 弔い行列の途中、墓場に向かう間も 右平から聞かされた真夜中のお弔いの話がずっと心にひっかかっていました。 その時、一人の侍が行列の一人に 「もし、これはどなたのお弔いですか?」と尋ねました。 尋ねられた男は、 「大場 右平様のお弔いでございます」と答えました。 それを聞いた只衛門はあわてて振り返り 「今、尋ねたのは誰だ!!」と問いただしました。 男は、「そこのお侍さまでございますが」と後ろを指さしましたが そこにはもう誰もいません。 男は、「確かに今そこにいたのに・・・」と不思議な顔をしましたが 只衛門だけは顔を青くし 「右平が見たというお弔いは、この行列のことだったんだ・・・」 と思い返したというお話です。 これを初めて見た時、 よく出来てる話だな〜〜と思いましたが 一つだけ気になる事が。 これは、右平がタイムスリップして、 生きている間に自分のお弔いを見てしまったと言われていますが 実際に右平の弔い行列が行われたのは 朝から夕方くらいまでのいつかなはずです。 なぜ右平は真夜中に弔い行列をみたのでしょうか。