振り子

皆様こんにちわ 店長の睦です! 今日の、めざましテレビで紹介されていた お笑い芸人の鉄拳さんが描いた、 「振り子」 という名のパラパラ漫画。 凄かったですね。 今、大反響を呼んでいる鉄拳さんのパラパラ漫画は ユーチューブにもその動画がアップされており、 海外からも脚光を集めて 再生回数は100万回を超えているそうです。 3分間という短い時間の間に 夫婦の人生を走馬灯のように見た気がします。

知らない方の為に、ざっとパラパラ漫画のあらすじを追いますと・・・

作品は、人生を象徴するような振り子時計のシーンから始まる。 そして、ともに10代とみられる男性と女性が現れ、女性は、不良仲間をなぎ倒した男性を「すごーい」と恋い慕う。 男性は、女性を厄介払いするが、次第にバイクの後ろに乗せる仲に。 学校を卒業後に、2人は一緒に生活するようになった。 しかし、ウェディングドレスをショールームで見ても、女性はなぜか首を横に振った。ただ、振り子時計は、女性のリクエストで買う。やがて娘もできるが、男性は仕事がうまくいかず、店を畳んでしまった。 その後は、酒や女に溺れ、家庭を顧みなくなる。

ところが、ある日、女性が病に倒れ、男性は改心したように必死で働く。そして、女性が着なかったウェディングベールを給料で買い、女性の元へ全力で走るが…。

ストーリー自体は、文章で見ると そんな飛びぬけて、ひねっているというわけでもないんですけど 絵のうまさや、構図、演出 どれをとっても凄いと思いました。 3分間という短い時間、2人の男女の人生を見終わった後、 感動したとか、心が暖かくなったというより (これを本当に一人で全て決めたんだろうか) とすら思いました。 アニメーションの監督や、映画監督の方のアドバイスを受けたんではないだろうかと思うほど凄かったです。 パラパラ漫画というと、大抵の人は、ラストまで同じ構図の固定視点な事が多いけど、 「振り子」は、その時の演出に合わせ、あらゆる構図から描いています。 この構図も、全て鉄拳さんが考えて決めたのでしょうか。 だとしたら本当にすごい。 相当、映画の構図などを研究なさったように思います。 絵がうまいから表情や仕草を描くのが上手いというのは、わかるような気もしますが 演出や構図というのは、専門の知識がないと難しいです。 それをサラッとこなされているから凄いですね。 そして、海外からの評価が高いのもうなずけます。 この動画は、パラパラ漫画ですので、セリフというものがないから、言葉の壁がない。 セリフがないはずなのに、 2人がどんな性格なのか、どんな事を伝えようとしているのかは 全て仕草や表情から伝わってきます。 凄い表現力ですね。 よく、漫画で、ここぞと言う時に、あえてセリフをなくす演出にしたり 映画ではBGMすらないサイレントにしたりする演出で、より気持ちを伝えたりする事がありますが あれは、表現力あってこそ、成り立つ演出だと思います。 そして、私が一番心に残ったのは 「振り子」の演出でした。 ずっと振り子がフリフリしているんですけど、 最初、これは漫画でいう枠線のような役割で、 物語の中にでてくるキーワードと合わせてるんだ程度にしか思っていませんでした。 ですが、物語終盤の演出で、 ああ、ここでこう使うために、この方法で表現していたのかと、 驚かされると同時に、納得させられます。 振り子時計というのは、ただのアイテムじゃなかったんです。 そして、その演出の後は、 ああ、ずっと左右に揺れている振り子は、こーゆー意味だったのね と考えると、 だから、女の人は、振り子時計を欲しがったのかなと 鉄拳さんの真意と、合っているかどうかはわかりませんが、 自分なりの見解が、スッと、胸の中に入ってくる気がします。 誰もが、時計の針が1秒進むごとに、残りの寿命は縮んでいきますよね。 なら その1秒1秒を、大切な人と刻んでいけたら、と願う事は自然な事。 セリフがないパラパラ漫画だけに、色んな見解があると思うけど それはそれで素敵だと思います。 一度は見て欲しい動画の紹介でした。 見終わった後、ハッと我にかえるというか 自分の人生に帰ってきたと言った方が正しいのか、 それほど集中して見てしまいました。 この動画を見ている間、私がよほどガン見していたのか、 それとも瞬きを忘れていたのか 目にいれたコンタクトがカッピカピに乾いていました。