殻と手 

皆様こんにちわ 店長の睦です。 昨日のブログを見て部長が喜び 社長呼んで 社長も「おぉ・・・おぉ・・・」と感嘆しながら 2人してブログ読んでるもんだから 書いた本人その場にいてられなくなり ダッシュで帰りました。 さっそく部長は次のセミナーの申し込みをしようとしてるんですが ちょっ・・・ いきなりそんな革新的な進歩を期待されてもこまっ・・・ そんなわけでわたくし 内心あわあわしております。 水滴が岩を削るようなスピードでの進歩を期待してください・・・。 デザイナーの卵の殻を割るには まず自分の卵の殻を割らないといけないんだと昨日書きましたが あの後思いだした事があります。 私が通っていた芸大にある先生がいました。 その先生はメガネかけてるオジさんで ゆるっとした服 前髪は後退してるのに 後ろ髪を伸ばしていいつもひとつにくくってる まぁパッと見で普通のサラリーマンではないとわかる感じのおじさんでした。 大学一回生の春、 その先生の初めての授業の時の事です。 学科全員が静かに着席しており 多分みんな(この先生の授業はどんなのだろう)と思っていたと思います。 先生:「じゃ、さっそくですけどみんな立って下さーい。」 (え?立つの?)と思いながらも みんなガタンガタンと立ちます。 みんな立ったのを見届けた先生は 先生:「はい、みんな立ちましたね。じゃ、そのまま5分間踊って下さーい。」 は??? みんなポッッッカー――ンですよ。 先生:「ほら、早く踊って。5分経っちゃうよ。」 そんな無茶ぶり振られても 入学して早々の学生にそんな芸当できるわけないですよ。 先生は「ほら早く早く。」ってせかしていたけど 当然みんな困惑するだけで誰もおどりだしません。 すると先生は露骨に呆れた顔をして 先生:「こんな事もできないの? 自分の殻を破れないとデザイナーになんてなれないよ。」 って言ってて その時はただ ダンスをいきなり強要されたうえに 勝手にガッカリされたインパクトの方が強くて (めんどくさいのが先生にいるな。) ぐらいにしか思ってなかったけど あの言葉の意味が卒業して 今になってわかったわ。 さすがにデザインさせてもらってる上で ダンスを強要された事はないけど なるほど、そういうことかと思いました。 先生の言葉っていうのは 学生の時はなんとも思ってないのに いつも卒業してから身に染みる。 多分親の言葉っていうのもそういうもんなんだろうな。 そうそう 昨日は祖父のリハビリを手伝いに 母と晩ご飯を食べてから祖父母の家に行きました。 リハビリの手伝いといっても 祖父の体を支えたり動かしたりするのは母がするので 私はずっと祖父の手をさすっておりましたよ。 昔はこの手に連れられて 姉と一緒に毎日のように公園に連れて行ってもらってたんだな。 私がまだ子供だった頃の冬の寒い日、 私の欲しいオモチャがどこにも売ってなくて 駄々をこねる私を自転車の後ろに乗せ 祖父は5件、6件とオモチャ屋をはしごしてくれたのを今でも覚えています。 祖父が倒れてから、病院で意識のない祖父の手を握りました。 祖父の手を握るのは子供の頃以来です。 しわしわだけど、大きくてゴツイ手。 不思議なもので、 私の手はあの頃よりも大きくなったはずなのに 感じる祖父の手の大きさはあの頃のままでした。

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