絵本

みなさまこんにちわ 店長の睦です! 今日は、私のオススメの絵本を紹介したいと思います と言いたい所ですが あまりオススメはしないです。 特にお子様と一緒にみるのは避けた方がいいでしょう。 私も、この絵本作家が描いた絵本を読んだ後は、 とてつもなく後味が悪く、暗い気持ちになります。 ですが、それはそれだけ絵本に引き込まれてしまうという事です。 途中、話のおおまかなあらすじを紹介する事とともに忠告しておきたいのは 今から紹介する絵本作家が描く絵本は、 子供向けの絵本ではありません。 その描写ゆえに不愉快な気持ちになる方もいるかもしれません。 ですが、そんな絵本達は、 作家が亡くなった今でも世界中にファンがいて 心を釘付けにしてやまないのです。もちろん、その中に私も。 そんな絵本作家を紹介いたしましょう。 彼の名前は エドワード・ゴーリー 彼の描く絵本は、不幸で、残酷で、不条理で、 そしてエッチングのような細い線で描かれているモノクロの世界が特徴です。 こちらの絵本。 どんな内容かと言うと、 ただ名前のアルファベッド順に 子供たちが悲惨な死に方をするだけの絵本です。 こんな感じで、次々と子供たちが死んでいきます。 死因はひとりひとり違います。 Aはエイミー かいだんおちた Bはベイジル くまにやられた Cはクララ やつれおとろえ Dはデズモンド そりからなげられ Eはアーネスト モモでちっそく Fはファニー ヒルがきゅうけつ Gはジョージ じゅうたんのしたじき Hはヘクター ごろつきのえじき Iはアイダ おぼれてふびん Jはジェイムズ アルカリごいん(誤飲) Kはケイト まさかりぐさり Lはリーオ がびょうをごくり Mはモード もくずときえて Nはネビル のぞみもうせて Oはオリーブ キリがつきぬけ Pはプルー けんかのまきぞえ Qはクェンティン おちたのはぬま Rはローダ あわれひだるま Sはスーザン ひくつりえいみん Tはタイタス どかん!こなみじん Uはウーナ げすいにらっかし Vはヴィクター せんろであっし(圧死) Wはウィニー さむいさむいこおりのなか Xはザクシーズ いたいいたいねずみのは(歯)は Yはヨリック のうてんわられ Zはジラー ジンをふかざけ そして最後にはこうなります。 シンプルなこの絵本のように、 シンプルに感想を言うと、「最悪」です。 この絵本は動画にもなっており、検索するとでてきますが 最悪で、子供たちが死んでいくだけという事はわかってるのに なぜか、目が離せない。 なぜか、釘づけになってしまう。 結末は、知っているのに。 そしてこちらの絵本 ある日、軍隊の大佐だったお父さまが、アフリカ行きを命ぜられました。 七か月後、原住民の謀反が起きて お父さまが殺された、と報せが届きました。 お母さまはやつれ衰え、やがて息をひきとりました。 ただ一人血のつながった叔父さまは、落ちてきた煉瓦に脳天を砕かれてしまいました。 シャーロット・ソフィアは一族の弁護士の手に委ねられました。 弁護士はただちに シャーロットを寄宿学校に入れました。 学校でシャーロットは 先生たちからしてもいないことで 罰せられました。 シャーロットの宝物の ホーテンスは、ほかの生徒たちに 八つ裂きにされてしまいました。 昼のあいだシャーロット・ソフィアは できるだけ隠れておりました。 夜は眠らずに しくしく泣いておりました。 もう我慢できなくなり 夜が明けるのを待って 学校から逃げ出しました。 シャーロットはじきに気を失い 舗道に倒れました。 一人の男がやって来て 両親の写真が入ったロケットを奪っていきました。 別の男が反対方向からやって来て シャーロットを連れ去りました。 男はシャーロットを 卑しい場所に連れていきました。 そうして 飲んだくれのごろつきに売りとばしてしまいました。 シャーロット・ソフィアは 造花作りの内職をさせられました。 わずかな食べ残しと 水道の水で食いつなぎました。 ごろつきは時おり 幻覚に襲われました。 ごろつきは幻覚を見るとシャーロットを殴っていたので、 シャーロットはどんどん目が悪くなっていきました。 そうこうするうちに、実は生きていたお父さまが 帰国なさいました。 お父さまは毎日 シャーロットを探して 車で街をまわりました。 とうとう ごろつきが発狂しました。 もうほとんど目が見えなくなっていたシャーロット・ソフィアは、表に飛び出しました。 そしてたちまち お父様の乗った 車に轢かれてしまいました。 お父さまは車を降りて 瀕死の子供を目にしました。 あまりの変わりように、お父さまはそれが自分の娘とはわかりませんでした。 おしまい どうあがいても、不幸です。 何の罪もない少女の身にふりかかる途方もない不幸と 衝撃のラストに 悪趣味だと罵る人もいるでしょう。 私も、否定はしません。 次に紹介する彼の絵本はこちらです。 二人の男女が出会って、子供を殺すという犯罪を犯し、死ぬまでの絵本です。 こちらの絵本は、 ムーアズ殺人事件という 1965年にイギリスで発覚した殺人事件をモチーフにしているそうです。 荒野(ムーア)で 4年にわたり5人の子どもを殺して埋めた2人の男女が実際にいたのです。 エドワード・ゴーリーは、他にもたくさんの絵本を出版していますが 彼はこのような作風を描き続けて、 社会に何かを訴えているのか 嘆いているのか それともただ自分の内から溢れてくるものを、ただ形にしているだけなのか。 私には知るよしもありません。 彼の絵本を一冊でも見てしまうと、暗い気持ちになるのに 何かに引き込まれるように また彼の違う作品をみてみたいと思う不思議。 描き手の彼が残酷なのか もっと彼の描く不幸な話をみてみたいと思う、読み手が残酷なのか それも、私には知るよしもありません。